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26歳の夏 突然告げられた病名 それは絶望だった

言えない苦しみ

友達にはHIVである事を話した
大学時代のカミングアウト済みの女友達二人と
同じく大学の頃から毎日の様に遊んでいたゲイの友達一人

最初、女友達二人は「信じられない」と言った困惑した表情で
僕に何と声をかけたら言いのか、言葉が見つからない様子
それを見て慌てて僕は
「HIVの簡易検査での結果だよ~!疑陽性って言うんだ。これからもっとちゃんとした検査をするんだけどね」
と嘘をついた。
それを聞いた女友達は
「なんだ~びっくりした!でも心配だね」
と少しホッとした様子だった。

ゲイの友達はと言うと、女友達よりもHIVと言う病気が他人事ではない様で
最初とてもびっくりして絶句していたが
ギュッと手を握って
「大丈夫?」
と声をかけてくれた。
それを聞いて一気に涙が溢れ出た。。。


でも
しばらくして、このゲイの友達にHIVに感染したことを伝えたのは間違いだったと思った。

別に言いふらされたとか、悪く言われたとか、そういう事はまったくなかったけど、
何となく、今までのような付き合いができないような気がして・・・

後日、HIVではなくB型肝炎だったと訂正した。

なんとも苦しい訂正だが、
友達は「そっか。よかった」
と言って、以降この話題は一切上ることはなくなった。
まるで腫れ物にさわるかのように、そういった話題は二人の間ではタブーになった。

やっぱりHIVであることは誰にも言ってはいけない。
この苦しみは一人で背負って行かなければいけない。

そう思った。


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死の病気

当時告知直後の僕は、まだ状況を把握できないなか


主治医の言われるがまま様々な検査を受けた。


検査の結果、後頭部、首、脇、股のリンパにしこりがあったが、


それ以外は特に悪い所がなかった


リンパのしこりは時間の経過とともに小さくなって行くらしい


感染が発覚したばかりの当時の僕は、まだ何の手続きも行っておらず


検査にかかった費用が重くのしかかった。


HIVに感染するとお金、かかるんだ・・・



今まで先生が診た患者の中には不法滞在の外国人も多く


病院でHIV発覚後、本国へ強制送還される。


本国ではろくな治療も受けられずに死んで行く・・・


でも僕は医療体制の整った日本国籍を持つ日本人だ


ちゃんと治療を受けていれば


「HIVは死の病気ではない」・・・と


先生が言う。






HIVは死の病気ではない・・・







そんなの・・・嘘だ・・・






HIVは




死ぬ・・・





心が、


未来が、


希望が、


夢が、


死ぬ





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葛藤の始まり

後日、告知を受けた病院で



専門の先生の診察を受けた



とても穏やかで若い先生だった





HIVに限らず、感染症を色々研究しているそうだ




これからは、この先生が僕の主治医になる





その先生が言うには


症状からして比較的、最近感染した確率が高いらしい・・・





そして先生は色々質問してくる


「アナルセックスはするのか?」


「コンドームは付けるか?」


「フェラはするのか?」


「ハッテン場には行くのか?」



まさか初対面の相手に、診察室でそんな事聞かれるとは・・・




先生の患者にはゲイが多いらしく



驚く程にゲイ用語やハッテン場に詳しい



僕もその質問に答える


「いいえ」


「はい」


「はい」


「はい」




そして僕も先生に質問をする



「本当にHIVなんですか?何かの間違いじゃないんですか?」



その質問に先生は



「残念ですがHIVに感染しています」



先生はそう答えた。





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